デグーをお迎えする準備はとても楽しいものです。お迎えする子は1匹でしょうか。それとも2匹でしょうか。私もこれまでたくさんのデグーをお迎えしてきました。
ただ、デグーの寒さ対策は、夏と同じくらい重要です。これから春先まで寒い季節が続くので、今回はデグーの低体温症について解説します。秋~冬時期に「デグーをお迎えされる方」、「高齢デグーを飼育されている方」にもご覧いただきたい内容です。
(執筆者:animal_care_information)
低体温症は正常な体温を維持できない状態!
低体温症とは、なんらかの原因で正常な体温を維持できない状態をいいます。体温が下がったままで長時間経過すると、生命にかかわることもあります。デグーの正常体温は38℃から39℃で、人間よりもずっと高めです。
健康な大人のデグーが普通の飼育条件で低体温症になることはめったにありません。一方で、「若齢のデグー・高齢のデグー・病気のデグー」は、ちょっとした不注意で低体温症になる可能性があります。
デグーの低体温症の症状
デグーは毛を逆立てて寒そうにしていることもありますが、その段階ではまだ低体温症の定義には当てはまらないかもしれません。しかし「ぐったりして動きが鈍い」という症状なら、すぐにでも病院へ連れて行ってください。
この症状が見られたら急激に温め過ぎず、人肌くらいの温度に保って動物病院に連れて行きましょう。低体温症は手遅れになることもあるので、何よりも予防することが重要です。
デグーが低体温症になる原因は「寒さ」以外にも!
デグーが低体温症になる原因
- 飼育温度が低い
- 体内で十分なエネルギーが作れない(食欲不振や病気などが原因で)
- 長時間のストレス
- 血行不良
- ホルモンバランスの乱れ
低体温症の原因には上記のようなものがありますが、今回は病気以外の原因・症状について説明していきます。冬時期は「室内の気温調整・寝床・ケージ周り」に気を配ってください。
低体温症対策はケージ内の温度を基準に管理!
一般的に「温かい空気は上」、「冷たい空気は下」にたまります。デグーの体感温度はケージの置き場所にもよりますが、人間が感じている温度より少し低いと思った方がいいでしょう。
また、デグーが最適と感じる温度には個体差があります。目安は25℃ですが、飼育温度が20℃でも平気な子、27℃に設定しないといけない子もいます。デグーの適温は、以下のようなことが関係してきます。
室温調整のチェックポイント
- 年齢や健康状態
- 多頭飼育か単頭飼育か
- ケージの広さや材質
- 地域の気候や天候
このように、さまざまな条件で室温は変化します。飼育温度を固定してしまわず、デグーの様子を見ながら「今日はこの温度に設定しよう」と臨機応変に調整する必要があります。
夜間や留守の時は保温電球カバーやほっとうさ暖など、ペットヒーターで部分的に保温するようにしましょう。反対に、暖房をケージ全面に設置して、熱がこもりすぎても危険です。金属ケージの場合は、金属部分が熱くなってしまうこともあるので注意してください。(参考:デグーの寒さ対策にオススメのペットヒーター)
ケージ内は必ず温度差ができるようにして、デグーが適温な場所を選べるレイアウトを心掛けましょう。暑すぎたり寒すぎたりした場合、自分たちで適温な場所を探します。
また、ヒーターだけに頼らず、敷材や寝床などを工夫しましょう。保温性の高い素材を使用するのもオススメです。ヒーターに頼らない防寒対策は、以下の記事で紹介しています。(参考:デグーの防寒と低体温症対策!緊急時でも寒さをしのぐ方法!)
ケージ外側からの対策も有効です。ただし、ブランケットなどでケージ全体を覆ったままにしていると、ケージ内に尿臭がこもってしまいます。寒い季節も換気には気をつけましょう。
デグーの飼育本に頼りすぎない!
デグーの飼育本にも記載されているとおり、「エアコンの温度表示」や「ケージ周囲に設置した温度計」は気温管理に欠かせないことです。
ただ、前述したとおりデグーが最適と感じる温度には個体差があります。
本当に大切なのは飼い主自身の判断です。デグーの体調や成長段階に合わせ、飼い主がきちんと温度管理できるよう日頃からデグーの様子をよく観察しておきましょう。
個体に合わせた飼育環境と気温調整を!
デグーは初日からなじんでくれる子もいるし、半年経っても緊張して寝つけない子もいます。性格が違えば、飼育方法が異なることもあります。例えば体格の小さなデグー・神経質なデグーは、最初から広いケージで飼育すると安心できないかもしれません。
1歳未満のデグーや小柄なデグーは、ちょっとしたすきま風も寒く感じます。このような場合、少し小さめのケージから徐々に慣れてもらう方法もあります。広いケージでスタートする場合も、デグーが安心できる暖かい居場所を作ってあげましょう。
基本的な寒さ対策は同じだとしても、飼育環境や個体差によってだいぶ変わってきます。一番重要なのは、その子自身に合った気温調整(寒さ・暑さ対策)をしてあげることです。