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デグーとハムスターは一緒に飼える?特徴を比べてみました。

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デグー

ペットショップで働いているとき、よく質問を受けたのが「○○と○○は一緒に飼える?」という内容です。実に多彩な組み合わせで、解答に悩むパターンも多くあります。

その中でも「デグーとハムスターは一緒に飼えますか?」というのは、何度も聞かれました。結論から先にいうと、同居はオススメできません。デグーとハムスターは共通点が多そうなのに、なぜオススメできないのか?今回はその理由をご説明します。
(執筆者:rubia_cat:ペットショップ販売員)

 

デグーとハムスターの生態について

それぞれがどんな生態をもった動物なのか?比較しながら見ていきましょう。
まず、デグーとハムスターの出身地はどこなのでしょうか。

デグーは、南米大陸出身です。アンデス山脈の西側、標高1200mほどの山地や岩場などにいます。山として考えるならば、そんなに高い位置ではありません。仮に富士山で例えるなら2合目あたりです。温泉で有名な群馬県草津町が同じくらいの標高になります。

ハムスターの場合はヨーロッパからアジアにかけてが主な出身地です。ハムスターは種類も非常に多く、大きさも生息域もバラバラです。

平地に住む種類が多いですが、中にはデグーよりも高い標高で暮らす種類もいるようです。基本的には、地中に穴を掘って生活をしています。

デグーとハムスターの大きさ

デグー 12~20cm
ロボロフスキーハムスター 7~10cm
ジャンガリアンハムスター 8 ~13cm
ゴールデンハムスター 14~17cm

デグーの体長は、シッポを除いて12~20cm前後、(シッポは8~13cmほど)あります。ハムスターは種類によって大きく異なります。日本で人気の種類の大きさは上記のとおりです。

それぞれの種類や年齢、個体差でも大きく変わりますが、大抵はハムスターよりデグーの方が大きいです。

デグーとハムスターの活動時間

人間と一緒に生活をしていると、飼い主に時間を合わせるようになるペット(個体)も多くいます。ですが、本来の活動時間というものはあります。

デグーは昼行性、ハムスターは夜行性です。もし同じケージ内で飼ったとしたら、それぞれの生活がお互いのストレスになってしまうかもしれません。

単独か、複数か

デグーは、家族や仲間と群れを作って暮らす動物です。1匹だけで飼育している場合は、飼い主を「家族(仲間)」と認識します。仮にハムスターと同居をしたら、デグーの性格によっては仲間として認識してくれる「可能性」はあります。

ところが、ハムスターは集団行動を嫌います。単独で生活を送る習性があり、縄張り意識がとても強いです。デグーどころか、 同じ種類のハムスター同士でさえ多頭飼いには注意が必要なのです。

ハムスターの種類や性格によっては、複数での飼育ができる場合もありますが、あくまでも「他の動物に比べれば」です。基本的には単独での飼育が無難です。

げっ歯類

デグーもハムスターも、げっ歯類です。ずっと歯が伸び続けるので、とにかく何でもかじるのは共通しています。どちらも齧り木が必須アイテムです。

ただ、同じ「げっ歯類」とは言っても、生物学的な分類で言えば決して近いというほどではありません。哺乳類のうち、約半数がげっ歯類にあたり、さらにそこから細かく分類されていくからです。

げっ歯類はヤマアラシ亜目、ネズミ亜目、リス亜目に分けられます。デグーはヤマアラシ亜目、ハムスターはネズミ亜目です。実は、デグーはカピバラやモルモット、チンチラの方が近いのです。

飼育に必要なこと

デグーとハムスター、飼育に必要な物はほとんど同じです。ケージ、食器、エサ、飲み水、床材、巣箱、かじり木、回し車、砂浴び用品。おおまかにまとめると、こんなところでしょうか。

すでにハムスター(あるいはデグー)を飼っている人にとっては、お馴染みのアイテム達ですよね。このことから、「それならすでに持ってるし、準備もほとんどいらなそう」と思う方が多いようです。

でも、これは間違いです。デグーとハムスターは、大きさも習性も異なります。
たとえば、同じ「回し車」でも、体の大きな個体には大きめの物を用意する必要があります。共通して使えるものはそう多くありません。

デグーとハムスターの食事

ハムスター

デグーは完全に草食、ハムスターは草食寄りの雑食です。チモシー(牧草)は共通して食べられますが、ペレットなどのフードは、原材料からして別物です。

そもそも専用のフードとは、その動物の習性や体内構造などを考慮し、それぞれに必要な栄養を固めて作られたものです。ハムスターもデグーも、別の動物用のフードでは栄養が偏ってしまいます。

場合によっては、食べられないものが含まれていることだってありえます。
たとえば、ハムスターフードは、デグーにとってはカロリーが高すぎます。高カロリーなので欲しがるかもしれませんが、肥満の原因になるだけです。人間も同じですよね。高カロリーのものは美味しいのです。

そもそも雑食のハムスター用ですから、植物以外のものも含まれているかもしれません。たとえ美味しくても、デグーにあげるべきではありません。

また、ハムスターにとっても、デグーフードは栄養素もカロリーも足りません。足りないということは、満足感が得られないということでもあります。食べる量ばかりが増えて、こちらも肥満につながります。

ケージの種類

 

デグーは、小さな段差を登るなどのちょっとした上下運動を好みます。高さのあるケージを使い、2階や3階を作ってあげるのが望ましいです。つまり、大きな縦長タイプのケージがオススメです。

ハムスターは、高さがある場所は苦手です。ちょっとの段差でも落下の危険があるので、基本的にケージに高さは必要ありません。上下よりも平面を走り回ったり、もぐっていくことを好みます。

パイプトンネルなどを使い、「専用の迷路」を作る方も多くいますね。それぞれの体の大きさによって、ケージに必要なサイズや柵の幅、ケージ内のレイアウトも大きく変わるのです。とは言え、げっ歯類の飼育経験がある人は「かじられ対策」「床材の設置方法」など、飼育の基本となるスキルが高いように感じます。

飼い主の飼育スキル

デグーとハムスターの異なる点は多いですが、応用できることもあります。その知識と経験を活かして、同一のケージではなく別々に飼うことができるのであれば、条件や環境次第ではアリだと思います。

もちろん、別々だからと言って、安易にケージを隣同士に置くのは避けてください。好奇心旺盛な昼行性のデグーが、柵ごしにハムスターを起こしてしまう…なんてこと、デグーの手引き(開錠)で、ハムスターが脱走!なんて「事件」も聞いたことがあります。

まとめ

ハムスターとデグーに限らず、同一のケージ内で別の種類を飼うのは、やはり難しいです。それぞれに個性があり、好みや習性、必要な物やサイズも変わってきます。

どうしても一緒に飼いたい場合は、ケージを別々にしましょう。それぞれに合った環境を用意して、お互いにストレスや怪我の心配なく過ごせるようにしてあげてください。