デグーと暮らす中で、手の「腫れ・かゆみ・くしゃみ」といった症状が出たりしていませんか?飼い主さんや家族にそういう症状が出ていたら、それはデグーアレルギーかもしれません。
猫や犬といった「動物・ペット」のアレルギーは有名ですが、デグーといった小動物でもアレルギーになる方がたくさんいます。飼う前はアレルギーがなくても、急に発症する人もいるんです。
もしかしたら、その症状がデグーが原因とは知らずに「かゆみやくしゃみ」と戦っている方もいるかもしれません。今回はそんな症状に困っている方のために、アレルギーの種類と上手に付き合う方法を紹介します。(執筆者:hanatorapooh)
デグー飼いを悩ませるアレルギー
アレルギーとは、「目や手のかゆみ・鼻水やくしゃみ・咳・ぜんそく」のような症状が出ることを言います。デグーの飼い主を悩ませるアレルギーは主に2種類です。
刺激によるアレルギー
デグーに引っ掻かれた傷がぷくっと膨れるのは、じんましんです。鋭い爪が皮膚に刺さり、その刺激でじんましんを引き起こす物質(ヒスタミン)が皮膚の毛細血管に作用するとミミズ腫れや湿疹が生じ、皮膚に存在する神経に作用してかゆみを生じます。
痒みや腫れは、患部を冷やすと数分程度で治まります。なかなか腫れが引かない場合は、爪などのバイ菌が原因によるものかもしれません。早めに医療機関に行かれることをお勧めします。
じんましんの治療法としては、抗ヒスタミン剤の服用や「注射・軟膏クリーム」などがあります。しかし、対症療法(その場しのぎ)にしかなりませんので、根本的な改善は期待できないでしょう。
アレルゲンによるアレルギー
デグーの「毛やほこり・尿や糞・デグーサンドの砂埃・チモシー粉」など、なんらかの形で人の体内に取り込まれた物質が危険物質と判断されることがあります。その危険物質(アレルゲン)に対して体が過剰に反応した場合、以下のような症状を引き起こす可能性があります。
アレルギーの例
- くしゃみやせき
- 目のかゆみ
- 呼吸困難
- じんましん
- アナフィラキシーショック
私たちは、知らない間に「デグーアレルギー」や「牧草アレルギー」になっていることがあります。何に対してアレルギーが起きるのかは、病院で詳しく検査してくれるので、早めに原因を突き止めて対処しましょう。
牧草アレルギーの種類
「スギ・ブタクサ・イネ科植物」による花粉症は世界3大花粉症と言われています。オオアワガエリ(チモシー)やカモガヤ(オーチャードグラス)など、代表的なイネ科の植物です。
イネ科植物によるアレルギーは、スギ・ヒノキ花粉症と同じく「鼻・目・皮膚のかゆみ」など、全身症状が出やすいことが特徴です。
牧草アレルギーの対策
症状が軽い場合、「マスク・手袋・ゴーグル」をすることで牧草アレルギー症状が緩和されます。牧草の粉がアレルギーの原因だったりするので、空気清浄機を使用して空気中に舞う牧草の粉をできるだけ少なくしましょう。
また、粉末が少ない牧草に変えたり、ペレットタイプの牧草(牧草を食べやすい形に加工しただけの代用牧草)に変えることで、症状が緩和されることもあります。
(参考商品:チモシーのきわみ)
デグー(動物)アレルギー
デグーの「毛・フケ・唾液・尿・糞」が、なんらかの形で体内に入るとアレルギー症状を起こしてしまいます。具体的な症状は、鼻から吸い込むと「くしゃみ・鼻水、鼻づまり・せき」。目の結膜に付くと「目がかゆい・充血・涙が出る」といった症状が起きます。
また、舐められたり咬まれたりすると、皮膚が腫れたりかゆみを生じたりします。ひどい場合には、「けいれん・呼吸困難・全身のじんましん」やアナフィラキシーなどの症状が起きます。これらの症状が認められた場合は早急に医療機関に相談してください。
デグーのアレルギー対策
まず病院で「何に対して反応するのか?」という検査をすることが先決です。原因がわかれば「このさき何に気を付ければよいか」「どうすれば悪化させないか」の対策ができます。症状が軽い場合は、下記のような対策を講じることで、今まで通りデグーと触れ合えるでしょう。
対策のポイント
- 1遊ぶ時は「マスク・長袖・軍手」を着用する
- 2掃除がしやすいように、遊ばせる(部屋んぽ)範囲を限定する
- 3普段から空気清浄機を使用して毛やほこりが舞うのを防ぐ
- 4掃除のときは必ず「マスク・軍手」をし、窓を開けるなどをして室内を換気する
- 5遊んだあとは必ず手を洗う
デグーと飼い主の幸せのために
同じようにデグーを飼っていても、アレルギーが出ない飼い主さんもたくさんいるでしょう。また、飼い始めは大丈夫でも、ある日突然アレルギー症状が出ることがあります。
目や鼻の皮膚がかゆくなったり、咳が出たり呼吸がしにくくなったりと症状は様々です。「動物・ペット」アレルギーは「毛」がアレルゲンだと言われますが、その発症する原因はヒトによって様々です。
私は、デグーの毛を触るだけでは何ともありませんが、鋭い爪で引っ掻かれるとミミズばれになり、強いかゆみを伴います。腫れとかゆみは、数分から数十分ほどで治まりますが、あのかゆみはなかなかのものです。(経験ある方はわかると思いますが)
デグーの他にも毛の長い品種のうさぎを飼っていますが、抱っこをしても何ともありません。それとは対照的に、猫はそばにいるだけじんましんを発症することがあります。
このように、動物アレルギーはすべての動物に反応するわけではなく、その人によって反応する動物が違います。もしかしたら・・・と思ったら病院へ行くことをお勧めします。(私は病院でアレルギーの薬を処方してもらっているので、快適なデグーライフを送れています)
デグーとの付き合い方
アレルギーの苦しみは発症した人しかわかりません。途方に暮れて、デグーを手放す飼い主さんも多くいます。今はよいお薬もあるので、手放すことを考える前に、まずはアレルギーとどう付き合っていくかを考えてみてはいかがでしょうか。
しかし、それでも改善できない時があります。ムリをして飼い続けると、重症化して命の危険が及ぶかもしれません。また、アレルギーが原因で世話ができなかったり、十分に遊ばせられない状態ではデグーも可哀想です。
大事に育ててくれる新しい飼い主さんを探すという選択肢もあるでしょう。かわいい我が子を手放すのは、簡単なことではありません。断腸の思いで考え抜いた結論を、誰が責められるでしょうか。「飼い主とデグー」、お互いが幸せになる方法をこれからも考えていきたいと思います。