小鳥の声だと思ったらデグーの鳴き声だった!ということもあるくらい、デグーはかわいい声で鳴く動物です。鳴き声の種類は豊富ですが、これは「発情期?歌っている?怒っている?」と迷ってしまいますよね。
「ピッピッ」「ピー!」「ピロピロ」といろいろな声を発しますが、デグーが「アンデスの歌うネズミ」と例えられるのは、こうした理由からです。一緒に暮らしていると、鳴き声のパターンで気持ちがわかるようになる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
デグーの鳴き声が種類が豊富なのは、群れで生活する社会性のある動物だからです。
※参考物:日本動物心理学会
今回の記事では、「デグーの鳴き声にはどのようなものがあるか?どんな気持ちを表すのか」を紹介していきます。
このページ制作に関わったメンバーと監修者
デグーは社会性の高いげっ歯類
自然界のデグーは、「少数のオス」と「たくさんのメス」という仲間・家族単位のコロニーで暮らす動物です。コロニーの中では鳴き声を使い分けることで、お互いにコミュニケーションをとっています。
デグーの子供は、鳴き声で母親デグーを見分けることができます。こういうところからも、デグーは会話でコミュニケーションを取り「社会性の高い動物である」ということがわかります。人間は会話をしてコミュニケーションをとりますが、それと同じようなことをデグーもしているということです。
また、「鳴き声を聴いてコミュニケーションをとる」ということはデグーが大変聴力の発達した動物であるということもわかります。大きな音に驚くのは、聴力が発達しているからです。
研究にも使われるデグーの鳴き声
個体同士が鳴き声でコミュニケーションを取る行為は、生物の言語研究や動物行動学の研究対象にされることがあります。ある研究では、デグーは約15種類以上の音声を持つことが判明しているのです。
また、「生まれつき持っている鳴き声があること」「学習して獲得する鳴き声があること」がわかっています。他には「報酬によって新しい鳴き声を獲得できるか」「訓練によってデグーの発声を強化することができるか」という研究も行われています。
デグーの鳴き声で気持ちを知りたい!
デグー鳴き声の意味には、まだまだ謎が多くありますが、喜怒哀楽がはっきりしていてる「ペット・小動物」です。
さまざまな方法で気持ちを表現してくるので、なんとなく気持ちを理解している飼い主さんが多いのではないでしょうか。
(関連:デグーのオシッコから気持ちを読み取る!)
デグーが嬉しい時の鳴き声は?
「ピプピプ」「ピピ、ピピ」と鳴いている時は、嬉しい時や楽しい時です。フードや好きな野菜をもらうと、こんな声で鳴いていることがあります。ご機嫌な時は「ピヨピヨ」「ピピピピ」と鳴くこともあります。
飼い主に甘えたい時は?
飼い主と遊んでいる時や、甘えて相手にしてほしい時も「ピピ!ピピ!」と鳴きます。飼い主が違う部屋に行った時に「キュー」「キュイー」と鳴くのは寂しがっている声です。
デグーが怒っている時の鳴き声は?
「プー!」「プギ!プギ!」と鳴いている時はちょっとご機嫌斜めかもしれません。多頭飼いではケンカをしている時、びっくりするような大きな声で「プギー!」と鳴くことがあります。
また、なかなか餌をくれない時には「プププ」と催促の鳴き声をすることがあります。かじり木やフードをほかの個体にとられた時などは、「キー!」と大きな声を出したりもします。怒っているとき、うかつに手を出すと噛まれることがあるので注意しましょう。
デグーのお腹がすいている時
「早く餌が欲しい!」という時は「プキュプキュ」と鳴きます。餌の袋を持った飼い主の姿を見て鳴いている時は、「餌が欲しい」という気持ちの表れです。
こんな声はデグーが怖がっているかも?
「キッ」と短く鳴いたり「ピーッ」と鳴いたりする時は警戒しています。知らない人が訪ねてきたり聞きなれない物音がしたりすると、このような声を出します。
「求愛」の鳴き声は小鳥のさえずりのよう
小鳥のさえずりのような「ピュルルルルルルー」「ピュイピュイピルピル」という鳴き声は、求愛の声かもしれません。もし多頭飼いでオスとメスがいたらどちらかが求愛しているのかも。求愛の鳴き声は、オスもメスも出します。
デグーのオスとメス。発情期はどんな声?
デグーのオス♂は「キッキッ」「キーキー」と連続して鳴き、同時に動きが激しくなったりニオイを発したりという変化が見られます。
他のオスに対して、メスに近づくなという警戒音で攻撃的になるので、オスの発情期には注意してください。ケージ内を意味もなくうろうろすることもあります。
一方、デグーのメス♀は「キュッ」と鳴いたり「ピルピル」とさえずるような声を出します。繁殖させる予定がない場合は、オスメスを離して飼育するほうがいいでしょう。
デグーは寝言もいいます
寝ているはずのデグーが鳴くこともあります。「クークー」「ピピ…」など大変リラックスしている状況です。眠りに落ちそうな時も、「クク、クゥ」などの声が出ることがあります。
こんなふうに鳴いてくれると、リラックスしているのがわかって嬉しくなりますよね。うちの初代デグーは非常に寝言が多く、鳴き声について知らないときは何事かと驚いてました。
デグーが鳴きやまないときの対応方法
デグーは鳴き止まないことがあります。深夜に大きな声で鳴かれると困ってしまいますよね。うちのデグー姉妹も環境に慣れないときは「夜鳴き」することが多かったです。
鳴きやまないときの対策
- 1負担にならない程度にオヤツをあげる
- 2優しく撫でてあげる
- 3優しく声を掛けてあげる
我が家では上の方法で鳴きやむことが多いです。一番効果があるのは「おやつをあげる」ことですが、「鳴く=おやつをくれる」と覚えてもらっては困るので、この対策をするときは少量にしておきましょう。(参考:デグーのおやつ)
また、寂しくて鳴くこともあるので毎回かまっていると「鳴けば来てくれる」と覚えてしまいます。夜にたくさん寝るためにも、可能なら昼間たくさんコミュニケーションを取って遊ばせてください。
- 新しいアパートに引っ越したあと、デグーがチューチュー鳴いて警戒している様子です。たまに固まったりします。デグーも新しい家にきて、怖がっているのでしょうか?その場合、どう対応すればよいですか?
- デグーも新しい家にきて、少なからず緊張してしまうと思います。ケージ内はなるべく同じ構造にしてあげてください。うちもお迎えして3か月くらいは夜鳴きがすごかったです。慣れないうちはいつもよりも多く接したり、話し掛けてあげてください。基本的にはデグーに慣れてもらうしかないと思います。
このように、慣れない環境だと鳴いてしまうことがあります。新居に引っ越して、デグーが落ち着かないという場合は参考にしてみてください。
鳴き声を聴き分けて、デグーともっと仲良くなろう
鳴き声の種類は、「個体による違い・単独飼いか多頭飼いか」で変わってきます。
また、上で紹介したように飼育環境によって異なることもあり、中には少しだけしか鳴かない子もいます。
飼い主に向かって鳴いている時は、デグーが何か伝えたいことがあるのかもしれません。注意深く観察してみてください。観察しているうちに、だんだんとデグーの伝えたいことがわかってきます。
多頭飼いでは「デグー同士がどんなふうにコミュニケーションをとっているのか」知ることができます。「餌を与えた時・遊んでいる時」など、いろいろなシーンで鳴くところを動画で記録するのも楽しいものです。
少しずつでも「伝えたいこと」がわかっていくとコミュニケーションも取りやすくなり、信頼関係も深くなりますよね。そういった積み重ねがペットとの触れ合いも増え、「幸せホルモン」も増えていくのでは?と感じています。
(参考:オキシトシン効果と幸せホルモン)
デグーにとって飼い主も群れの一員です。デグーの鳴き声を聴き分けることで、さらに仲良くなっていくのではないでしょうか。